土壌中のC/N比は、有機物中の炭素（C）と窒素（N）の比であり、分解速度と栄養塩類の利用可能性を示す。バランスの取れた比率（通常、10：1～12：1）が、微生物の活動と効率的な栄養塩類循環を支えています。

土壌有機炭素（SOC）とは、土壌有機物の炭素成分であり、動植物の分解物に由来します。土壌有機炭素は、土壌の肥沃度、構造、炭素隔離において重要な役割を果たしており、土壌の健全性と気候変動の緩和に影響を与えます。

土壌有機物（SOM）とは、土壌中の動植物が分解・腐敗したもので、生きた微生物、腐植土、有機残渣などを含みます。土壌有機物は、土壌の肥沃度、構造、保水性を向上させるとともに、微生物の活動や栄養循環をサポートします。

炭素分画は、土壌とバイオ炭の安定性、反応性、炭素隔離と土壌の健全性向上における環境上の利点を決定づけます

TOC（全有機炭素）：
土壌中の有機炭素の総量は、分解有機物と未分解有機物の両方を含む。土壌の肥沃度、微生物の活性、炭素循環に重要な役割を果たします。
バイオ炭では、TOCは炭素固定と土壌改良の可能性を示す指標となります。TOCが高いほど安定性が高く、土壌改良材として有効です。

ROC（元素状炭素）：
土壌中のROCは、分解されやすく、微生物の活動や栄養循環に速やかに利用できる有機炭素です。また土壌呼吸や短期的な炭素動態に影響を与えます。
バイオ炭では、ROCは反応性が高く、微生物によって速やかに無機化されるバイオ炭の炭素分率です。この部分は土壌中の短期的な栄養塩の利用可能性に影響します。

TIC（全無機炭素）：
土壌中のTICは、炭酸塩（炭酸カルシウムなど）のような無機態で存在する炭素であり、土壌のアルカリ性、緩衝能、長期的な炭素貯蔵に寄与します。
バイオ炭では、無機炭素は主に鉱物の残渣と炭酸塩に由来し、pHや土壌鉱物との相互作用に影響を与えます。

CHNS+O元素組成とは、サンプル中の炭素(C)、水素(H)、窒素(N)、硫黄(S)、酸素(O)の割合のことです。この組成は土壌の肥沃度、栄養循環、土壌改良材としてのバイオ炭の安定性に影響します。土壌では、CHNS+O元素は有機物動態と微生物活動に影響を与え、バイオ炭では、化学的特性、安定性、土壌の健全性と炭素固定への影響を決定づけます。